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脳科学基礎論としての生物言語学 Biolinguistics as Foundation of Brain Science

http://www.amazon.co.jp/%E8%84%B3%E7%A7%91%E5%AD%A6%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E8%AB%96%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%89%A9%E8%A8%80%E8%AA%9E%E5%AD%A6-Biolinguistics-Foundation-Brain-Science/dp/488361543X




出版社/著者からの内容紹介

自然言語を対象とするメンデル遺伝学的アプローチである生物言語学(ノーム・チョムスキー(米国の言語学者、思想家、政治活動家)が半世紀程前に先鞭をつけた生成文法モデルはその有力候補)を、脳科学基礎論として位置づけて紹介しています。対象となる読者は、言語学、日本語学の研究者、学生だけでなく、認知脳科学関連分野の研究者、学生の皆さんです。自然言語は、自然が38億年かけて自己組織化してできた複雑系、カオス系であるヒト脳の働きです。ヒト脳は自然物(蛋白質のかたまり)です。自然物の法則は経験科学の中の自然科学的方法で調べる必要があります。ですから、文法研究(ヒト脳の自然言語システムの法則とメカニズムの研究)は自然科学の方法で調べる必要があります。例えば、畠山雄二(言語学者)は「ら」抜き言葉がヒト脳の自己組織化の結果であり、単純な法則を遵守している現象であると述べています。自然言語研究は、ヒト脳という複雑系、カオス系の研究ですから、フラクタル、フィボナッチ数列、自然数、虚数、虚時間、対称性、エントロピー、ネゲントロピー、離散無限性、コンピュータ、DNA、素粒子構造、化学反応、共有結合、物質・反物質間の対消滅など、数学、物理学、分子生物学、化学などの概念や現象と密接に関係します。本書では、これらの数学や自然科学のテーマと、自然言語研究が如何に深い関係にあるかということを説明し論じています。自然が38億年かけて創造した自然言語システムが、人間が自然言語に頼りながら作った数学や論理学などの人工言語システムと決定的に異なるには、前者には、広義の音(聴覚情報、視覚情報、触覚情報)と意味の計算解釈とは関係のない解釈不能な構造素性(uF: uninterpretable feature)が存在していることです。uFは自分を消去することによって言語構造を構築していく駆動力(エンジン)です。ヒト脳という蛋白質のかたまりに自己組織化を通して発生した自然言語システムには、情報計算の癌化(結合による無限の構造形成が生じ歯止めが利かなくなった状態)という突然変異が進化上生じた可能性があります。米国シカゴ大学のハワードヒューズ医学研究所のBruce Lahn博士らの研究によると、約185万年前にアウトライヤー遺伝子(DNA配列の変異速度が非常に速いことで有名)を突然変異によって獲得したヒト祖先の脳だけが巨大化した可能性
が高いということです。言語構造の中には抗体(善さ菌、小林恭(哲学者)の用語)の働きをするuF(善さ菌uF)があり、善さ菌uFは自分と同じ性質を持つuF(バイ菌uF、抗原)を探し出し、照合する。その結果、善さ菌uFが消去、バイ菌uFが削除(完全消去)される。そのuF消去の度に構造が構築されます。脳が典型的な免疫システムであることを考えれば、脳内の自然言語システムで抗体・抗原反応が生じていることはむしろ自然です。本書は更に自然言語システムでは化学的な相転移や共有結合と同じ現象が観測されると論じています。中田力(脳化学者)によれば、無意識が脳内の水分子が結晶化した状態であることを最初に発見したのは、ライナス・ポーリング(米国の化学者)です。文を計算式とみれば、計算式の解は意識できる(音と意味は解釈できる)が、その計算法則に関しては無意識である(構造形成の法則やメカニズムや構造は意識できない)のが、自然言語システムです。もし、意識・無意識の問題に水分子の結晶化の度合いが関与しているのなら、自然言語システムの中で、物理化学的な法則(エネルギー最少の法則など)が関与していることはむしろ自然です。本書では、上に述べた数学や自然科学の概念や法則が自然言語分析と深く関わっていることを、日本語(寺村秀夫(言語学者)の知見に支えられつつ)、英語、ヒンディー語などの具体的な言語データを観察しながら論じています。







著者からのコメント

デーヴィッド・ライトフット(米国の言語学者)によれば、生成文法モデルは、19世紀のメンデル遺伝学のアプローチを採用しています。メンデルは、エンドウ豆やミツバチの交配実験を行い、目に見える表現型(エンドウ豆やミツバチの外面的な性質、フェノタイプ)の徹底的な観察、統計作業を行うことで、目に見えない遺伝子型(遺伝因子(後のDNA)、遺伝法則、ジェノタイプ)を発見しました。堀田凱樹(遺伝学者)と酒井邦嘉(脳科学者)によれば、19世紀のメンデルが、家内工業的な交配実験と原始的な統計作業を通して、3:1という美しい整数比の遺伝法則を発見したことは驚異に値します。現在の自然言語研究も、メンデルに倣って、表現型(ヒト脳の文の容認性反応)を徹底的に観察することを通して、ヒト脳の遺伝子型(ヒト遺伝子の働きによって発現する、媒介変数(パラメータ)設定前の普遍文法(UG: Universal Grammar)、どんな個別文法を生み出すニューロンネットワークにも変化できる幹細胞文法ニューロンネットワークの法則とメカニズム)を調べようとしています。生物言語学と統合可能な自然科学とは、来るべき未来のブレークスルーを複数回経験し、根本的に変質した後の物理学、化学、分子生物学です。しかし、その統合の種は、既に、現在の生物言語学、物理学、化学、分子生物学の中に存在しています。本書では、その希望の種を思い切って大胆に紹介し論じてみました。チョムスキーが言うように、ヒト脳という1.3kg前後の蛋白質のかたまりの働きの一つである自然言語システムに、無機物の世界に観察される性質(離散無限など)や法則(エネルギー最少の法則など)が関わっていることは、もしそれが本当であるなら、驚くべきことです。その驚きを読者の皆さんとともに味わってみたいと思っています。






単行本: 263ページ
出版社: 三恵社; 初版 (2007/4/16)
言語 日本語
ISBN-10: 488361543X
ISBN-13: 978-4883615438
発売日: 2007/4/16
商品の寸法: 25.6 x 18.2 x 1.4 cm
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